2015年12月5日書店発売

アンドレ・バザン 著
堀潤之 訳

革命児ウェルズの核心、
批評家バザンの初心

1950年フランス、毀誉褒貶の只中からウェルズを救い出すべく、若き批評家がついに筆を執る。ウェルズ作品の革新性を主題の深さから画面の深さへと論じ抜く、「作家主義」批評の先駆け。コクトーによる序文、サルトルやサドゥールらの『市民ケーン』評も収録し、ヌーヴェル・ヴァーグ前夜のウェルズ論争を再現する。
 
「『市民ケーン』は私たちにとって従うべき手本ではない。」――ジャン=ポール・サルトル
「オーソン・ウェルズのシークェンス・ショットは、映画言語の進化の決定的な一段階である。」――アンドレ・バザン
 


目次

オーソン・ウェルズの横顔(ジャン・コクトー)
 
オーソン・ウェルズ(アンドレ・バザン)
 1 二〇世紀アメリカのルネサンス人
 2 幼年期の虜になった食人鬼
 3 『市民ケーン』から『マクベス』へ
 4 主題の深さから画面の深さへ
 結論
 
資料
ハリウッドが考えさせようとすると……――オーソン・ウェルズの映画『市民ケーン』(ジャン=ポール・サルトル)
脳の肥大(ジョルジュ・サドゥール)
オーソン・ウェルズの天才――かつてなく大胆不敵な社会的攻撃文書、『市民ケーン』(ロジェ・レーナルト)
『市民ケーン』の技法(アンドレ・バザン)
 
オーソン・ウェルズ フィルモグラフィ
訳者解説 ウェルズとバザン、ふたたび(堀潤之)
索引
 


著者・訳者紹介

著者
アンドレ・バザン(André Bazin)
1918年4月18日生まれ。40年代半ばからシネクラブ活動と並行して、『ル・パリジャン・リベレ』、『レクラン・フランセ』、『エスプリ』等の紙誌に映画評・映画論を寄稿。48年にシネクラブ「オブジェクティフ49」を組織し、翌年「呪われた映画祭」の開催にも尽力する。51年に『カイエ・デュ・シネマ』を創刊し、後にヌーヴェル・ヴァーグを担うことになる若き批評家たちが集う。主要論考をまとめた『映画とは何か』全4巻の刊行を前にして、白血病により、58年11月11日歿。
歿後に刊行されたものも含め、主な著書は以下の通り。『オーソン・ウェルズ』(ジャン・コクトーとの共著、1950年/本書)、『映画とは何か』全4巻(1958–62年/邦訳=小海永二訳、美術出版社、1967–76年、その後『小海永二翻訳撰集4』、丸善、2008年所収)、『ジャン・ルノワール』(1971年/邦訳=奥村昭夫訳、フィルムアート社、1980年)、『オーソン・ウェルズ』(1972年)、『チャーリー・チャップリン』(1972年)、『映画とは何か』選集1巻(1975年/邦訳=野崎歓・大原宜久・谷本道昭訳、岩波文庫、2015年)、『残酷の映画』(1975年/邦訳=『残酷の映画の源流』、佐藤東洋麿・西村幸子訳、新樹社、2003年)、『占領とレジスタンスの映画』(1975年)、『解放からヌーヴェル・ヴァーグまでのフランス映画』(1983年)。
2017年末にフランスで全集の刊行が予定されている。

訳者
堀潤之(ほり・じゅんじ)
1976年生まれ。映画研究、表象文化論。関西大学文学部教授。編著書に『越境の映画史』(菅原慶乃と共編、関西大学出版部、2014年)、『ゴダール・映像・歴史――『映画史』を読む』(四方田犬彦と共編、産業図書、2001年)。訳書にレフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語――デジタル時代のアート、デザイン、映画』(みすず書房、2013年)、ジャック・ランシエール『イメージの運命』(平凡社、2010年)、コリン・マッケイブ『ゴダール伝』(みすず書房、2007年)ほか。ジャン=リュック・ゴダール関連のDVD・BD付属冊子に多数寄稿。