2014年1月31日書店発売

丸川哲史 著

魯迅の問いを現代の世界史的現実に接続し、その遺産を解放のプロジェクトとして読みほどく、書き下ろし450枚!

魯迅の為した仕事とは専ら、中国を「現代中国」へと書き換え、生成させることにあった。[…]魯迅が中国という場を離れず、しかしそこで第三の視点を自主的に作ろうと努力したことは間違いない。[…]独自に魯迅が必死に作り上げようとした第三の視点こそ、つまり中国を現代世界史に参与させ、また自主的に現代世界史を構成するために出て行かんとした道のことであった。

本書『魯迅出門』の狙いは魯迅を解放すること、魯迅を解放的に読むことにあった。[…]本書のモチベーションの大半はいずれにせよ、日中間にわだかまる歴史的負債というもの、あるいは現代中国にかかわる世界認識のギャップから発するものと極言できる。[…]魯迅を解放する試みとは、第一には、中国が現代中国となり行くその最も苦しい時期を理解するためのものでありつつ、最終的には中国そのものを超え、近代化のプロセスにある全ての社会・地域の根本矛盾にアクセスすることに行き着くものである。(本書より)


目次

第一部 虐  殺
一 — 一 示衆と処刑
一 — 二 鉄屋と地獄
一 — 三 死者と亡霊

第二部 メディア
二 — 一 文字と言語
二 — 二 声と記憶
二 — 三 雑文と大衆

第三部 ネーション
三 — 一 進化と民族
三 — 二 翻訳と改造
三 — 三 民族と現代(モダニティ)

[結びに代えて]世界史と魯迅
[あとがき]魯迅を解放する