2013年11月25日書店発売

藤井仁子=編

世紀の大喜怒劇映画!

笑いと涙と、正しき怒りを今一度。喜劇を超えて、喜怒劇へ。『喜劇 女は度胸』から『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』を経て最新作『ペコロスの母に会いに行く』まで、型破りな面白さと圧倒的な熱気に満ち溢れる森崎映画の真髄に迫る。
監督が自身の映画作りの秘密を語り尽くした「映画はもうほとんど世界である」の再録に加え、倍賞美津子・大楠道代・加瀬亮への聞き下ろしインタビューも収録。

[特別掲載]脚本『男はつらいよ フーテンの寅』準備稿  あり得たかもしれないもう一人の「寅さん」!

「ほとんど世界だったですよ、ぼくにとって映画は。(…)ぼくが自分でつくる映画でも、ほとんど世界をつくるに等しい作業(…)それだけの表現の可能性っていいますか、ほとんど個人を離れて、独自に歩くほどの世界を現出しうる世界だ、このフィルムとテープレコーダーと音楽と俳優さんでやる映画ってのは。」――森崎東(本書より)


目次

I|森崎東を見る
屑の本分――遅れてきた森崎東論(藤井仁子)
森崎東のボトム(上野昂志)
森崎映画の「涙」と「観念性」(高橋洋)
喜劇の到来――森崎東のレジスタンスをめぐる覚書(中村秀之)
豊代のこと――『女咲かせます』の切実さについて(渥美喜子)
しくじったあと――『街の灯』の輝き(三宅唱)
そのようにしかあることができない――『ニワトリはハダシだ』論(濱口竜介)
出航せず――『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(青山真治)

II|森崎東を語る
一個一個作っていく、そういうことがふっとできる映画[インタビュー](倍賞美津子)
ちゃんと芝居が分かる監督さん、こちらが任せられる監督さん[インタビュー](大楠道代)
人から出発する、だから物語も予想がつかない[インタビュー](加瀬亮)
まず俺たちが考える、というのがありますね[座談会](浜田毅・長田達也・下村優)
ごった煮が出来るまで――森崎映画のシナリオ作り(近藤昭二)

III|森崎東が語る(聞き手=山根貞男)
映画はもうほとんど世界である
 I|わが映画遍歴、そして家族
 II|心の結ぼれをほどく芸能を求めて
 III|エトスを美的に娯楽的に刺激したい
他流試合に臨む――『時代屋の女房』、六年の空白を越えて
おとぎ話と現実の間の涙――『ラブ・レター』という難題
垂れた糞は見たくない――『ニワトリはハダシだ』では終わらない

[特別収録]『男はつらいよ フーテンの寅』準備稿
寅次郎の「ディグニティ」――『男はつらいよ フーテンの寅』準備稿覚書(大澤浄)

[資料]森崎東の軌跡(作成=中村有孝)
 I|映画監督作品
 II|映画脚本作品
 III|テレビドラマ演出・脚本作品
 IV|テレビドキュメンタリー演出作品
 V|出演作品
 VI|映画監督作品使用楽曲

東(あずま)への道――編者あとがき

※監督の苗字の表記は、書籍などの活字では「﨑」の字を使用していますが、ウェブ上では「崎」にしております。