〈脱領域ワークショップ 「歴史の中の『テンペスト』」〉は、シェイクスピア『テンペスト』の改作を批評対象とする、ポストコロニアルな視点からの日本における批評実践の試みです。
過去半世紀にわたって、シェイクスピアの『テンペスト』は、植民地における権力関係、文化的依存状況、反植民地主義運動を議論するときのもっとも重要な作品のひとつであった、と言っても過言ではありません。この作品が、読まれ、上演され、翻訳され、利用され、翻案され、誤用されてきた歴史、その文化史における知識人、批評家、劇作家、小説家、詩人たちの足跡をたどることは、「ポストコロニアル」批評における『テンペスト』の中核的位置を検討するためにも、必須の作業でしょう。そこでこのワークショップでは、「イギリス文学」や「カリブ地域研究」などといった学問領域の枠組みを解体して、「ポストコロニアル」状況に関心を抱く雑多な研究者が集まり、17世紀から現代に至る『テンペスト』に想を得た作品や、批評を取り上げ、現在における<テンペスト>の意義を再考したいと計画しました。発表者それぞれが一作品についてペーパーを書き、コメンテーターを交えながら皆で議論するという、ワークショップの原点に帰った方式で行われました。なお、このワークショップでの発表を基にした論集が、人文書院から刊行されます。
正木恒夫/鵜飼哲/柳原孝敦/大橋洋一/浜邦彦/本橋哲也/鈴木慎一郎/岩村健二郎/吉原ゆかり/岡真理
崎山政毅、今福龍太、上野俊哉、今村仁司、細見和之、田崎英明
日時 1998年10月25日 10:00〜19:00
場所 東京都立大学 国際交流会館